団の練習が終わって、
比較的若いうたごえ仲間の何人かで、
Mちゃんの家におじゃましようということになった。
この計画は、すでに何ヶ月も前から立てられていたのだが、
日程の都合でなかなか実現しなかった。
今日は、Mちゃんがみんなのために、おでんと手巻き寿司を用意してくれているという。
ありがたいことである。
だいすといつものメンバーたちは、今日は運営委員会があるため、
会議が終わり次第、駆けつけるという。
sabiは最近、こういうときはたいていだいすと一緒にいるので、
なんとなく一抹の不安がよぎる。
その不安は、いくつかの場面で的中した。
まず、Bくんの車にわれわれが乗ってMちゃんの家まで行くのに、
普通は20分ぐらい(?)のところが、1時間ぐらいかかってしまった。
だれも正確な道がわからず、ナビゲーションシステムだけを頼りに、
やみくもに進んでいったためである。
(Mちゃんは、準備があるので自分の車でひと足先に帰った。)
sabiは何度かMちゃんの家に行ったことはあるが、
なにしろ極度の方向音痴のため、まったく当てにならない。
異常に混んでいる道や、違う方向へ行く道や、行き止まりの道など、
迷路のようにさまざまな道へ入ってしまった。
いつもは、人間ナビゲーターのだいすがついているから、
絶対このようなことにはならないのである。
やっぱり、だいすがいないとなぁ。
で、それにともなって、Bくんが徐々にパニクりはじめた。
以前の記事にも少しだけ書いたが、
(
http://sabi-see.jugem.jp/?eid=142)
Bくんはアスペルガー症候群のため、車の運転に若干の支障をきたすことがある。
突発的な出来事に対応できなかったり、うまく注意を払えなかったりするのである。
Bくんの中では、「早く着かなければ」という焦りが募っている様子なので、
「ゆっくりでいいよ」「とにかく着ければいいから」などと声をかけたりしたが、
やはり焦りは消えないらしい。
車通りの多い道で、右に曲がって横道に入るという行為すらおぼつかない。
しかも、道を間違えれば方向転換やバックなど、いろいろなことをしなければならない。
すごいスピードでバックしたりする。
かなり怖い。
方向転換のときに、たまたまそこにあった駐車場に車を入れたら、
別の車が、その駐車場から出ようとしている気配。
あわててバックしようとすると、後ろの道はけっこう車も走っており、
あまつさえ、中学生の集団までやってくる。
Bくんはすっかりパニックである。
こんなときもやっぱり、だいすがいたらなぁと思ってしまう。
Bくんのメンタル面もうまくフォローしながら、
適切な指示を出してくれるだろうに。
さて、やっとMちゃんの家の近くまでたどり着けたので、
われわれはおつまみと飲みものを買って、Mちゃん宅へおじゃました。
なんだかんだで、総勢10人くらいのにぎやかな会になってしまった。
(しかもその後、メンバーの入れ替わりもあったりした。)
この場を仕切るのは、
本来は、青年のうたごえのまとめ役であるBくんなのだが、
それもなかなかうまくいかず、HちゃんやKちゃんが上手にフォローしてくれて、
なごやかに会は進んでいった。
で、「だいすがいたら」の話の続き。
sabiは、MちゃんのダンナさんのSzさんと話をしていて、
ひょんなことでSzさんが、
「大学時代、教育実習に行って小学1年生のクラスを担当したんだけど、
(Mちゃんが)その子たちと同い年なんだよね」と、言われた。
まあ確かに、年齢差が15歳ぐらいあるはずだからそういう計算になるわけだが、
そこでsabiはめっちゃ感心してしまって、
「うーん。世が世であれば、犯罪的ですね」
と、言ってしまったのである。
なんとなく、場がしーんとなった(ような気がした)。
ここでsabiをフォローできるような人間は、とりあえずだれもいない。
だいす〜。早く来て〜(泣)
Szさんとゆっくりお話するのは、これで2度目ぐらいなのだが、
(←それなのにあの発言!)
博学だし、経験豊富だし、お酒好きだし、sabi的には非常に楽しかった。
何かの話の流れで(←子どもが産めないという話?)、
sabiが、「いやぁ、実は躁うつ病なんですよ〜」とやや軽いノリで言うと、
Szさんは深刻な面持ちで、
「ああ、それは悪いことを話させてしまったなぁ」と、言われた。
‥‥すごく「普通」の反応だ! と思った。
「普通」というのは、sabiが考える範疇で、ということである。
Szさんは、障害児教育に携わっておられることもあり、
たぶん、そういう方面にも詳しいのだろう。
少なくとも、sabiのまわりでは躁うつ病に関して、
「全くわからない人」か、「うつ病と同じだと思っている人」のどちらかに入る人が、
圧倒的に多いように感じられる。
(ここ数年、前者はほとんど後者に吸収されていってるような気もするが。)
あと、知人の中で、躁うつ病に関する適切なコメントをしてくれたのは、
sabiの大学院時代の先輩、Srさんだけかもしれない。
昨年と今年の年賀状で、sabiに対して書いてくれていた言葉を読んで、
これは、この病気について正しく理解している人の言葉だ、と思った。
かつ、sabiの気持ちを前向きにさせてもくれた。
そんなこんなで、今日は、sabi的には楽しい時間を過ごすことができた。
ただし、えんえんと呑みつづけて、顰蹙を買ってしまったかも。
だいすたちが遅れてやって来ても、結局あまり一緒にはいなかった。
まあ、そういうことも、たまにはあってもいいかもしれない。
といっても、やはりいてくれないのは困るのだが。