この6月に、広島の伯母が亡くなった。
昨年から肺ガンで入院していて、だんだんと認知症の症状も出始めて、
最後には口をきくこともできなくなっていた。
表情もほとんど変わらない。もちろん筆談などもできない。
もう治る見込みがないということで、今年の初め、病院の紹介でホスピスに移った。
ホスピスでは本当に手厚く看護していただいて、
姉やsabiにも非常にまめに連絡をとってくださった。
そのおかげで、sabiとだいすは伯母の最期を看取ることができた。
姉も、亡くなる前の晩に遅くまでいて、ちゃんとお別れをすることができた。
伯母は、sabiの父のお姉さんにあたる人である。
ほかのきょうだいはごく幼いころに亡くなっているので、
伯母と父は、実質的には二人姉弟といってよいだろう。
そして、伯母は生涯独身だった。
ある時期までsabiの一家と同居していたらしいのだが(←sabiは覚えていない)、
その後はずっと一人暮らし。
自分の姪であるsabiたち姉妹を、わが子のように思ってくれていた。
父が一昨年亡くなったため、
伯母にとってsabiたち姉妹が、最も近しい肉親ということになった。
したがって、伯母の葬儀ではsabiの姉が喪主をつとめ、
その後の相続やらなんやらといった、さまざまな事務的なことすべてを、
sabiたち姉妹でやっていくことになったのだ。
こういうときに、だいすはホント頼りになる人物である。
難しい手続きとかにも非常に長けている。
ほとんど頼りまくっていると言っても、過言ではない。
父が亡くなったときの経験で、
だいたい何をすればよいのかということはsabiも把握しているのだが、
被相続人と相続人とが実の親子である場合に比べて、
伯母と姪という関係にある場合は、
相続に関するあらゆる手続きがきわめて煩雑になる、ということがわかった。
法定相続人がsabiたち姉妹のほかに存在しないということを、
いちいち証明しなければならないのである。
なんと明治時代までさかのぼって、戸籍謄本(原戸籍)を取り寄せなければならない。
そして血縁関係が遠いぶん、必要な謄本が何種類にものぼることになる。
銀行や証券会社など、見る側の人たちもたいへんである。
父のときと違って、何をするにもめちゃめちゃ時間と労力がかかるのである。
ともすれば混乱して頭がまわらなくなるsabiたち姉妹を、
いつもサポートしてくれる(というか、代わりにやってくれたりする)のが
だいすである。
今日、税務署に郵送した伯母の準確定申告の書類も、
だいすが忙しい中、時間を割いてつくってくれた。
準確定申告とは、確定申告をすべき人が年の途中で亡くなった場合、
1月1日から亡くなった日までの所得を相続人が申告するというものである。
これは相続人の義務であり、
亡くなった事実を知った日から4ヶ月以内にしなければならない。
伯母が亡くなってから、明日でちょうど4ヶ月。
今日がギリギリのタイムリミットだったわけである。
医療費の控除とかがあるので、準確定申告をすれば、
かなりの額の税金が戻ってくる。
姉からもいろんな必要書類をわざわざ送ってもらっているし、
これはもう、何がなんでも今日中にしなければならない。
しかし、だいすが申告用紙の袋を開けたのが、今朝になってからだった。
そして、領収証やらなんやらの書類をちゃんと見たのも、
今朝になってからだった。
それからがたいへん。
まず、今年の源泉徴収票が見あたらない。
sabiが必死で探して、まさかと思うところに入っていたのをやっと見つけた。
次に、相続人である姉の委任状が要るという。
これも作った。
そして最後のとどめは、伯母の除籍謄本ある? とだいすにきかれた。
sabiは、広島の実家に全部置いてきた、と答えた。
片道1時間かかる役場まで、除籍謄本をもらいに行くことになった。
伯母の本籍地がsabiたちの住んでるところの近くで、本当によかった。
なんだかんだで、必要書類はすべてそろった。
速達で郵送して、明日には広島の税務署に着くだろう。
明日が締切なので、とりあえずひと安心であると考えられなくもないが、
困ったことに明日は土曜日。
税務署は、これで間に合ったことにしてくれるだろうか。