今日は、I町で九条の会の集会が行われる日である。
前述のように、「みつばち合唱団(仮)」は、
この集会のオープニングで演奏をしてほしいと招かれた。
それはありがたいことではあるのだが、
今日は日程的に都合のつく団員が非常に少なく(全体の半数以下)、
一時は辞退させてもらおうかという話も出たぐらい。
かつ、I町は多くの団員にとってはけっこう遠いところに位置している。
I町にもうたごえのサークルがあるのに、なぜわれわれに頼むのだろう?という
疑問の声もあったが、
おそらく地元のサークル員たちは九条の会の運営で忙しいのだろう、という
好意的な見解もあって、
結局、今回の演奏依頼は引き受けようということになった。
このように、少々無理をしてでも出かけていってしまうのが、
うちの合唱団の性(サガ)なのである。
sabiにとっての今日の最大の不安は、
わが師匠Iさんが、この演奏に参加していないということであった。
Iさんは、
「みつばち合唱団(仮)」でNo.1の実力の持ち主というだけでなく、
今や日本のうたごえ界においても、屈指の歌い手である。
うちの合唱団が対外的な演奏活動をするときには、
いつも必ずIさんがいて、
実務面でも演奏面でも、みんなをリードしてくれている。
しかし今日は、体調がすぐれず(特にのどの調子が悪くて)、
欠席するとのことなのである。
sabiにとって、(「なのはな合唱団(仮)」などでの演奏を除けば)
Iさんのいない演奏は、おそらく今回が初めてである。
しかも、昨日のあの悲惨な出来事のこともあって、
もう、心細いことこのうえない。
昨夜遅く、sabiはIさんにメールを出した。
どうかくれぐれもお大事に、ゆっくり休んでください、ということ。
そして、練習で指摘されたことの打開策について、
何かアドバイスをお願いします・・・ と。
すると、こんな返信がかえってきた。(一部脚色あり)
| 演奏に行けなくなってごめんね。
| あまり自分を追い詰めないようにね。
| わたしらはまだまだ未熟で発展途上なのだ!
| そして結局ソプラノはいちばん難しいのだ!
| まっ所詮言い訳だけどね f^_^;
| 問題解決は一晩じゃ無理だろうし、気に病んでも良いことは少ない。
| 身体を解放すべく、精神の解放に心掛けるしかないでしょう。
| 声を出す前に美しく息をとること。頭のてっぺんから足の裏、手の先まで。
| そうして充実した気持ちで心優しく歌えばいい。お芝居でもしているつもりで。
| 歌声だけにとらわれない方がいい。歌は全身の状態が大切だから。
| 健全な肉体と精神から発する声を目指そう。
| そのためによく集中すること。萎縮しない。してる暇はないのよ。
| わたしからは以上、すべてわたしにとっての真実です。
| では、明日はみんなに任せておやすみなさい(-_-)zzz
(__) (__) (__) (__) (__)
さすがIさん・・・。
たぶん、sabiは雑念が多すぎるのだろうと思う。
「みつばち合唱団(仮)」という名前で演奏する以上、
ふだんに比べて遜色があってはならない、という妙なプレッシャーを感じたりして、
ついつい、“うまくうたわなければ・・・” という気持ちになる。
でも、それでは自分を解放できないのである。
本番では歌のことだけ考えよう、とsabiは思った。
そして、なんとか本番が終わった。
sabi的には昨日の練習よりも、本番のほうがうまくいったように思う。
自分自身に関してだけでなく、演奏全体の出来を考えてもそう感じた。
団のみんなも、
全体的によく揃っていた、パートバランスもよかった、と言い合っていた。
やはり聴衆の方々が入ると、集中の度合いが違うのだろうか。
狭い会場ではあったが、満席で、皆さん一生懸命聴いてくださっていて、
それに励まされたsabiは、もはや心細さなど感じることはなかった。
終了後、Iさんに報告と感謝のメールを送ると、
以下のような返信がかえってきた。
| ごくろうさま。今日のところは一歩前進かな(^v^)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Iさん、ひょっとしたら、実はsabiたちを鍛えるために・・・・・・!???
ちなみに、
地元のI町にある例のうたごえサークルのメンバーだが、
受付その他で忙しく立ち働いていた人が2〜3人、
その他ほとんどのサークル員たちは、たんなる聴衆であった。
じゃあ、なんでわれわれに演奏を頼んだのだろう・・・・・・????
終了後は、
今日も記念講演の講師を務めたKさんと、Moちゃんと、
sabi&だいすの4人で、
河辺の紅葉を見に行ったり、Moちゃんの運転で怪しげな峠越えをしたり、
沖縄料理のお店で美味しく呑み食いしたり、カラオケで大爆発したりした。
いろいろあったが、総じて今日は楽しい一日だった、ということで。
【きょうの演奏曲】
・日本国憲法第九条(外山雄三)
・うたごえよ 高らかに(池辺晋一郎)
・ねがい(安広真理)
・海はふるさと(王立平)